気になるお客様

2015年5月10日

 

 本日、終日多くのお客様をお迎えして、活気に満ちた文庫となりました。
 そのような中で、ひとり気になるお客様がお越しになられました。文庫入口の門をくぐり財布からお金を取り出そうとしておられましたが、どうみても70歳を越えているご様子(いや、失礼な話かもしれませんが)。「失礼ですが、もし年齢が70歳以上でしたら入館は無料になりますよ」とお声をかけさせていただきましたら、「それはありがたい。もう80も過ぎてますし、遠慮なくお言葉に甘えさせていただきましょう」とお返事をいただきました。これだけなら、徒然草のネタにはなりませんが、この方は、昔から何度も一滴文庫にはお越しいただいていたようで「この門をくぐると昔を思い出す。最初の頃は、雑草の生い茂る野放図なお庭で……それでも、趣があって、『草も花の仲間です』という水上先生の看板が気持ち良かった」と、その目はすっかり記憶のかなたに! よくよくお話しを聞いていると、文庫が好きで、水上文学が好きで、よく通ってこられたそうですが、それがなんと岐阜から。 そんな話を暫くしていると、「今日は、もうこれで帰ります。岐阜まで遠いですしね」と〆の一言。えっ……まだ、門をくぐって少し話をしただけですよ? と、クエッションマークが小生の頭の上で飛び跳ねると、それに気が付いたのか、追加の一言が「今日は、昔の記憶と遊びに来ただけです。それは、この門をくぐってお庭を拝見しただけで十分ですよ」と……。何ともかっこ良く、センスの溢れるお客様でした。(S)