戦争が終わった年の秋。朝早く、浩は家を出ました。結婚が決まったねえさんの嫁入り道具を運ぶのです。予科練に志願して命は国にささげるのだと思っていました。それなのに、今日からは生きろといわれても……。リヤカーをひいてすすむ道すがら、バラックがたち並ぶ焼け野原の町で、人々と出会い、温かな励ましをうけた浩は。