怒られました

2021年7月29日

先日のことです。遠方からお越しの仲良し三人組、数十年ぶりの来館ということで意気揚々のご様子。いつものように紹介映像を見てから本館の展示へお進みいただき、しばらくするとお二人だけ竹人形館にお進みになられました。あら、おひとりの方を残されていいのだろうか? と疑問に思いましたが、何らかの問題が発生したご様子もない。そうこうしていると、先に出られたお二人が、園内全体の見学を終わられて、大満足で本館に戻ってこられました。すると、残されたおひとりに「おい、もういいかげん行くぞぃ」とお声をかけられて、奥の展示室から残されたお一人様がひょこッと! 本館を出られる前に、小生を捕まえて「君は、ここの学芸員さんかい? だったら、これじゃいかんよ。こんな良い展示は、もっと広報して多くの人に見てもらわないとダメだ。もったいない。私なんか、ついつい、展示文章の意味やら考えて二回も三回も全文読んでしまったよ。良く考えられた展示だと思う。なのに、2時間以上いて、僕たちの他は、数人来ただけじゃないか。良いものは多くの人に見てもらってこそ意味があるんだ。もっと頑張りなさい」というお言葉をいただきました。口調的には、怒られた感じですが、内容はごもっともなご意見です。本当に、もっと発奮しないといけませんね。

今後、少しでも良くなるように努力します。今しばらくのお時間を! と、いったところでしょうか。

精進精進。(S)

ここは大飯の動物園

2021年7月25日

今日も暑いですね。暑さに負けて仕事も思うように進みません。ですが、不意に本館事務室から目を窓の外にむけると、この暑さに負けずに跳ね回る茶色のモフモフっとした塊が! 最近、また園内を飛び回るウサギさんですね。暑いのに、園内を元気に飛び回ってます。一方、朝出勤して門のところに一羽の鳥を発見したのですが、どんなに近づいても身動きひとつとりません。こちらは暑さに負けてしまっているのでしょうか。近くにお水を置いてやると、しばらくして飛び立っていきましたが、まぁ暑いですからね…。その他にも園内には、どんなに触っても身動きひとつしないライオンもいますし、猿やキジ、アナグマなんかもよくでてきます。みんな、手が届きそうなほど結構近くまで近寄ることができます。

がんばれば、鬼退治にも行けそうですけど、鬼退治よりも子供たちの心をわしづかみしていただきたいものです。こんど、一滴動物園と銘打って子供向けイベントでも打ちましょうか! あっ、駄目だ。みんな野生なので、気分によって出てきたり、隠れたり。なんとか、新しい企画につながらないだろうかと、余計な妄想で時間が過ぎていく暑い日の小生の頭の中でした。(S)

嫌な予感はしてたんです

2021年7月21日

昨日は休館日ということで、一日無人の一滴文庫。嫌な予感はしてたんです。

人の予感というものには、根拠があります。何らかの前兆、これまでの経験、虫の知らせ…これらが総合となって予感という妙な感覚に襲われるものなんです。

そう、前兆はありました。月曜日には、屋根の上から響いてくるバタバタと騒がしい何者かの足音。そして、園内で膨らむ柿の実‥‥‥。

本日朝、出勤してくると、園内に広がる柿の枝、葉っぱ、食い散らかされた実‥‥‥やられた。最近、猿ほとんど見ないですね~って話を数日前にしたところだったのですが、やられました。恐ろしい散らかしっぷりです。まぁ、彼らも生きていくためには、という厳しい環境にいるんでしょうが、食べるならちゃんとホークとナイフを使って、食べれるところは残さず食べてもらいたいものです。一口かんでは、ポイ! 二口かんでは、ポイ! 今年も一滴園内産田主丸の柿は、私たちの口には入りそうにないですね。残念です。(S)

お昼のヒトコマ

2021年7月18日

暑いですね。ですが一滴では、コロナの影響からできるだけエアコンよりも換気と扇風機で暑さをしのいでいる状況です。先日も、六角堂でお昼の御蕎麦を運んでもらうと、スタッフさんがひと言「あっ、ごめんなさい。扇風機の風で上にかけてる鰹節が飛んで、お茶の中に…」。何の他愛もない会話です。

でももし、私が雄略天皇だったら「そこになおれ! 手打ちにしてやる~」というひと言が口からでてくるところですが‥‥‥、気弱な小生の口から出てきたのは「あぁ、別にかまいませんよ」。まだまだです。

うん、どうやらまた迷走しているようです。きっと暑さのせいでしょう。(S)

 

*ウネメ(古代の天皇の身の回りのお世話をする女官ですね)が運んできた酒杯に花びらが入ったのを見つけた雄略天皇は、その場でウネメを誅殺しようとしましたが、その折にウネメが読んだ詩があまりに良かったので、その場で許したという記載が古事記にでてきます。

展示がどんどん完成に向かって

2021年7月16日

本日、お客様とお話させていただくと、どうやら今回の企画展を気にいっていただけたようでした。特に、今回の会場配布資料が良かったと言っていただきました。文学者たちの水上先生との繋がりが新鮮だったとのこと。そのお客さまも、昔から水上文学のファンで、色々な本は読んでたけど、知らないことばかりだった! と、若干興奮気味で教えていただきました。そして、できれば今回展示している各文学者の言葉を、今回のオリンピックにあわせて、もう一度それぞれの新聞に掲載すれば面白いのに! というご意見までいただくことができました。確かに面白い案です。半世紀以上前に行われたオリンピックと今回のオリンピック、表面的には全く別物に見えますが、今回展示している文章をよんでみると、意外に同じ問題を抱えているなかでの開催だったんだと気づかされます。

今回、展示を構成しましたが、展示期間中に来館いただいた皆様との会話で、色々な新発見をさせていただいております。これも大きな展示会場で行う特別展などとはまったく違う、一滴文庫ならではの楽しみですね。(S)

人生で一番の施設

2021年7月12日

本日、一組のご夫婦が来館され、本館に入るや「うわぁ~すごい雰囲気の場所だね」とひと言。それから見学に移られ、本館だけで約2時間ほどご滞在されました。そして、帰りがけに小生を捕まえて「いままで長い人生でしたが、こんなにすごい感動した場所ははじめてです。私の人生の中で間違いなく一番の施設です」との言葉をかわきりに、次から次へと質問攻めです。最後には、一度本館から出られて、門の所まで進まれてから、もう一度本館まで走って戻ってこられて最後の一言。「もちろん最高とは、この施設だけのことではなく、水上先生のお考えやそれを支えてきた地元、そして今日対応してくれたあなたや受付の人、全てが最高でしたという意味です。また、いや、これから何度も来たい場所です」と言われて、本当にお帰りになられました。

嬉しい反響をいただきました。もちろんその他にも「この展示は面白い」や「これだけの展示を準備するのは大変だったでしょう」など、多くの見学者からご意見をいただける一日でしたが、まさか“いままでの人生の中で間違いなく一番”とまで評してくれるお客様と巡り合えるとは‥‥‥。苦労して疲れてても、そんなものが一発で吹き飛ぶくらいの嬉しいひと言でした。(S)

一滴水没事件

2021年7月9日

連日、新聞の紙面上では熱海の土砂災害の記事が大きく取り扱われていますね。しかし、全くの他人事と切り捨てられないのが昨今の日本の状況です。先日も、おおい町でかなりの大雨が降りました。幸いなことに、その折にはちょうどお客様の影も園内にはなく、問題もなく1時間程度で雨は上がった……と、思いきや! なんと、長屋門周辺が水没しているではありませんか。これは、入ることも出ることもできない状況です。深い所では、小生のくるぶしあたりまで水が来ているようです。しかも、受付正面の喫茶室と倉庫が床上浸水(床といっても、三和土の土間なんですが)してしまい、床に直置きの段ボール類が全滅してしまいました。どうしたものやらです。

さて、これから、梅雨の晴れ間がやって来るのを心待ちにして、水浸しになった場所を少しでも早く乾燥させてあげないと、カビがルンルンしてしまいますね。

あ~もう本当に梅雨は嫌だ!(S)

展示の構成

2021年7月5日

ムシムシと、いやな湿気がまとわりついてきますね。こんな状況、人だけではなくて展示品にも悪いので、そのあたり、学芸員としたら気が気じゃありません。

ですが、今回の企画展は、湿気なんてまったく意に介さない展示となっております(まったく…とは、ちょっと言いすぎですけど)。会場を埋め尽くすのは、文字・文字・文字という具合に、文章ばかり! しかも、お手製のタペストリー群なので、湿気に気を使う必要もありません。

そんな企画展ですが、本日は会場でご見学の方と話をさせていただきますと、「この当時のことが脳裏に蘇ってきて、あの時に戻れた気分がしているので嬉しい!」というご感想までいただきました。どうやら、まだ学生として、当時のオリンピックを見ていたようで、「ご近所の〇〇さんが、テレビを持っていない大学生の私にテレビを見せてくれて‥‥‥」なんて、そんな話をしてくれるお客様の表情は本当に若々しく、展示を見る前と見たあとでは別人のように生き生きとしたお顔で話をしてくださいました。

思い出というものは、本当に大切なんだと改めて考えさせられます。できれば、これからも、皆さまの思い出を想起できるような、もしくは思い出になれるような展示を構成していきたいものですね。(S)

自由帳(展示のご感想を自由にお書きください)

2021年7月1日

本日、毎回企画展の会場に設置してます【自由帳】に目を通すと、なんとなんと! ビックリするほど濃い内容の文がずらずらと書き連ねられているのを発見しました。

先日の徒然草にも書きましたように、今回の展示はお客様の二極化(短くさらっと流す人と、二時間近く平気で文章を隅の隅まで読みつくす人)が著しいように感じておりましたが、たぶんノートに記載してくれているのは、長くご見学されていた方々の方でしょう(当然かな)。内容は、まさにノート一頁丸々の感想文などが数頁。中には、たぶん前回のオリンピックの折には生まれてなかったであろう人まで…。いや、これはうれしい発見です。

思わぬところで上手く事が運ばずに、苦労して組み上げた『あまり素人受けしない展示』といわれる企画展ですが、会場設置自由帳を読むと、企画してよかったと切に思います。(S)

悩みどころ

2021年6月27日

今回の企画展は、ことさら難しい内容になってしまいました。お客様の会場滞在時間をみているとわかります。完全な二極化です。もちろん一方は、数分で二階に! そして、一方は1時間以上です。なかには2時間ほど過ごされる方までおられました。そして、その2時間越えのお客さまと、お帰りの際にお話しをさせていただきますと「今回の展示は、すごく良い! 何が良いって、今年のオリンピックも、前回のオリンピックも問題をはらみつつの開催だったけど、それを各文学者たちがこのように見て、表現して、後押ししていたのかと思うと、嬉しくなります。今回も大きな問題がありますが、やっぱりオリンピックは平和の祭典なので、やりとげてほしいものです」とのお言葉をいただきました。もちろん、このお客様も、現状はそんな単純なものではないと前置きしてからのお言葉だったのですが、よほど感心されたのか、今回の企画展の参考文献を全て教えてほしいと、帰ってさらに勉強するとのことでした。

企画を組んだ小生としては嬉しい限りなのですが、正直今回の展示は文字ばかりで写真すらなしという際立ったもの! かなり厳しい規制の中でできる限りの展示にしましたが、本当にこれで良かったのだろうかと悩みもしております。企画展の正解というものを、もう少し考えてみないといけませんね。これからの大きな課題になりそうです。(S)