世に『大逆事件』といわれる天皇暗殺謀議、十二人の死刑囚のひとりに、草花栽培の園丁・古河力作がいた。花づくりにいそしむ小柄な青年が、なぜ大それた陰謀に加担したのか・・・。青年の屈折した二十八年の生涯を克明な取材で描破し、あわせてその時代を鮮やかに捉えた長篇。
平成21年1月読書会課題図書