三上誠展記念講演会

2014年5月25日

 一日快晴のよいお天気で気温も上がり汗ばむほどでした。
 
昨日一滴文庫くるま椅子劇場で開催中の「三上誠展」を記念して、三上誠展記念講演会を行いました。講師に現代美術資料センター主宰の笹木繁男氏を迎え、演題「三上誠とその周辺」を語っていただきました。福井県ゆかりの日本画家三上誠は生前、作品がほとんど売れませんでしたが、没後その作品の評価が高まりました。保守的な日本画の世界から革新的な日本画の世界を求めて、日本画革新団体「パンリアル美術協会」を立ち上げたことで知られています。
 
この三上誠のことは、2012年に一滴文庫で「中村正義展」を行った時に知ることとなりました。生前水上勉は、中村正義から福井県在住の三上誠について聞かされていましたが、会ったことはありませんでした。しかし、水上勉が書いた中村正義画集の序文「行と業の世界」には、その当時、中村正義を通して知った三上誠という画家への熱い思いが綴られています。
 
記念講演の講師をお願いした笹木繁男氏は中村正義の研究家でもあり、中村正義の視点から見た三上誠のことを話されました。三上誠は晩年結核を患い苦しい画業だったことや、素晴らしい日本画の腕前を持ちながら革新的な絵画を求めて抽象画を描くようになったことなど、三上誠が日本画の開拓者だったことを語られました。
生涯を理想の絵を描くことに捧げた三上誠の人物像を思い知ることの出来た素晴らしい講演会でした。(
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