企画展終了

2016年5月16日

 本日で「一滴文庫この30年」展も無事終了です。お世話になった皆様、見学にお越しいただき様々な想い出を教えていただいた皆様、担当者として改めて御礼申し上げます。この企画は、本来もう一年早く実施予定(30年を迎えるカウントダウン的な期間)のものでした。しかし、足が遅いというか、雑務に追われてというか……、なかなか取り掛かることができずにくすぶっていました。しかし、やはり三十年という節目を締めくくる(これが重要なポイントです)には、ここだろう! ということで、ちょうど三十年から31(今年の3月8日をもって31年目に突入しました)に一歩踏み出す期間ということで、このタイミングを選ばせていただきました。
 何事も、日々勉強という感じですが、ここ数回の展示(民俗学の展示や30年展など)で学ばせていただいたことは、展示に文章を差し込んでも、読む人はガッツリと読みこんでくださるということでしょうか。これまで、学校の博物館展示論などを受講していたら「展示のキャプションはせいぜい200字まで! それを越えると人は読もうとすらしなくなる」ということで、解説はできるだけ文字数を抑えたものを心がけてきました。しかし、やはり文学館で展示をするということは文章から逃げるわけにはいかないようで、そこかしこに文章の抜粋を展示しておりました。そして、皆様の見学風景を端からみていると、意外に皆さん長く足を止めて読んでくださっている。しかも、それを読むことで懐かしさがこみあげ、もう一度水上勉の著作物を読み直してみますというお話を沢山聞くことができました。もちろん、このような文章の掲示は、キャプションなどの文章とは違いますし、興味のまったくない人にとっては読んでいただけないどころか……という一面もはらんでいるということは重々承知したうえでのことですが、とても面白い発見(?)でした。改めて、文章の持つ「力」を思い知ることができました。
 次に小生が担当するテーマは、ことさら重たいものになる予定ですが、その中でも何か引っかかりのあるものにしたいと計画を練っておりますので、皆様からのご指導お待ちしております。(S)
 *会場に設置している「自由帳」には、毎日目を通しております。お越しの際には、ぜひ、一言お願いします。

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