2023年9月
明日は
本日は、9月7日です。明日は、8日。と、いうことで……。
本日お昼ごろに、一本のお電話(お問い合わせ?)をいただきました。お電話先から「明日は水上勉先生の命日ですね」との一言が。あら、これは! と思って、よくよくお話を聞いてみますと、この方はお若い頃から水上先生と親しくお付き合いをされていたご様子で、カレンダーに目をおくったときに、何故か急に水上勉先生と中上健次先生との対談を思い出し、明日が水上先生の命日だということから、一滴にお電話されたとのことでした。
話は、尽きることなく多方面におよびましたが、なかなかに面白い時間を頂いた気分です。水上先生がお亡くなりになって来年で20年です。節目の年になりますので、何か考えないといけませんね。時の過ぎるのは、早いものです。私も気がついたら、そんなことを口走る年齢になってしまいました。(S)
土の匂いのする作家
本日、お越しになられたお客さまとお話させていただくと、「最近、水上勉の本がほとんど絶版になって、懐かしの作品がまったく手に入らない。古本屋に行っても、ない。誰が隠しているんだ」というお話が、ポロリ。そうですね、古本屋の実店舗では、なかなか見つけるのも困難な状況です(ネットのサイトでは、結構ヒットするんですが)。
このお客さまは、なかなかディープな水上文学ファン! 「亀の出て来る、山の赤土を‥‥なんて作品だったかな?」「『山の暮れに』ではないでしょうか?」とか、「石牟礼道子の文学は海の匂いがして、水上文学は土の匂いがする。でも、この二人の根本は「ふるさと」というものだと思うんだが、それに関して何かないか」「水上勉は『海の牙』という作品で‥‥‥、石牟礼さんとの手紙のやり取りも残っていますし、それをご覧になられたら、それらの疑問にも光が差してくるのではないでしょうか」などの深い問いと応えの応酬の時間がひととき流れました。それで、冒頭の言葉につながります。
水上作品は、生誕100年以降、田畑書店さんなどで、次々に再版されてきています。それをお伝えしたら、とても喜んで、帰ったら探してコレクションしなおしますと言っていただけました(一滴はちょうど売り切れ中でした)。新しい装丁で、新しい解説がついて、またこれまでとは違った気持ちで読むことができるのではないでしょうか。
その方曰く「水上作品は、何度読んでも面白い。読み飛ばすことなんてできない発見が、いたるところに散りばめられている。こんな作家は、他にはいないよ」と、にっこり笑顔で教えてくださいました。(S)


