兎と蒲の穂

2021年6月5日

夏が近づいてきています。だんだんと日差しが痛いほど感じるようになってきました。本日も、そんななか多くのお客様に来館いただき、なかには園内で走り回る野兎を見つけて、絶好のシャッターチャンスをゲットしたお客さまもいたようです。

さて、この時期になると、一滴の玄関口で立ち止まる人たちがいます。入り口には懐かしの蒲(ガマ)の穂が! 年配者には懐かしさを、若年層には面白さ(ウインナーといわれてます)を、そして小生には兎を連想させます。

はい、なぜ兎なのかと言いますと、ウサギとガマには深い因縁があります。それは、因幡(イナバ)の白兎の伝説です。ご存知ない方も多いかと思いますので、ヒントは『古事記』です。

そうです、最近、昔勉強した『古事記』について、また話をしなくてはならなくなったので(あれ、前にもこんな話を書いたような気が…)、現在再び勉強中。と、いうことで、頭の中では「あっ、ウサギだ! あっ、ガマの穂だ!‥‥‥ん、合体(ピコ太郎的なノリで)」的な思想がぐるぐる回ってます。

いやぁ~一滴園内では、ウサギ、ガマの穂だけではなく、猿、キジ、蛇、猫、など文学作品に出てくる多くの動植物がお住まいです(笑)。

その内、古典文学についての講座でもしましょうかね。「一滴動植物から考える古典文学」的なタイトルでどうでしょうか。(S)

本日より

2021年6月2日

5月末で企画展「禅と書」が終了しましたので、本日より新企画展「1964 東京オリンピックに添えられた文学者の言葉」がスタートしました。本展は、前回東京オリンピックを文学者からの視点で思いおこしてもらおうと企画したものです。ですので、対象者は54歳以上のお客様に限らせていただきます‥‥‥って、そんなわけないですね。もちろん、お若い方々にも楽しんでいただける展示となっております。

なかでも注目は、文学者たちの相関図(水上勉を中心とした)です。あの時代の文学者が相互に干渉しあって一時代をつくってきたという点にも言及しております。もしかしたら会場には、あなたのお気に入りの文学者さんのお名前があるかもしれませんよ。

ぜひ期間中に一滴文庫に足をお運びいただき、一度ごらんいただければ幸いです。皆さまのお越しをお待ちしております。(S)

うれしいお便り

2021年5月29日

本日、郵便さんから一通のお手紙が、小生の手元に届けられました。中身を見てみると、そこにはうれしい内容が記載されていました。さて、どのような内容かといいますと。

実は、先日まで東京で渡辺淳先生の絵が展示されていたんですが、開催される前に主催者さんからご連絡をいただいてて、その時には「このようなコロナ禍なので、たぶんほとんど人は来てはくれないでしょうけど、どうしても今この展示をやりたいんです」とのことでした。ですが、ふたを開けたら大勢の人が見学にきてくれたみたいで、お手紙には「やってよかった」という喜びのひとことが! こちらも、うれしいお便りが届いたことに、最近の疲れが吹き飛ぶ思いでした。

いつもでしたら、さっそくお返事のお手紙を…と、用意するところですが、現在は次回企画展の準備でバタバタ、夜は公民館から依頼されている冊子の構成でウトウト、朝は図書館からお願いされているお話のレジュメ作成でキリキリ‥‥‥いつになったら、ゆっくりお手紙をかけるような時間が持てることやら。

貧乏暇なし‥‥‥あっ、私のことか。(S)

ブンナというお名前

2021年5月27日

あれは先日のことです。ご来館いただいたお客さまとお話させていただくと、「ここの図書室の奥に『ブンナの部屋』という一角がありますが、どういう意味ですか? もしかして、あのブンナですか?」というご質問をいただきました。「もちろん、そのブンナですよ」と、部屋の趣旨を説明させていただきますと、そのお客様が「私は、長年教師をやっておりまして、私の学校には昔『ブンナ』と名づけたヒヨコがいたんです。あの子は、優しいくて弱い子だったんでいつも周りの強いヒヨコたちからいじめられてて、職員室の前に逃げてくるような子だったんで『ブンナ』と、私が名づけたんです」との一言が返ってきました。よくよくお話を聞くと、その先生は水上作品の大ファンで、特に『ブンナよ、木からおりてこい』が心に残るベストワンの作品とのこと。なので、いつも周りからいじめられて逃げてくるけど、しっかり生き残ってくれていたその子に『ブンナ』という名前を付けて、かわいがっていたという思い出をきくことができました。もしかしたら先生は、ヒヨコのブンナと蛙のブンナ二つの物語から、子どもたちに特別な何かを教えていたのかもしれませんね。

あっ、このヒヨコですけど、どうやら大きくなって立派な鶏状態でも、職員室の前で先生が出てくるのをまってたそうです。でも、あるとき、いなくなってしまったとのことでした。どこに旅立ったのやら。(S)

まだ帰りたくない

2021年5月23日

久しぶりの晴天! いい気持ちです。ここ連日、お客様の足音がとまらない状況です。嬉しい限りです。と、そんななか、もう16時過ぎに来館された一組のご家族(おじいちゃんおばあちゃんとお孫さんたち)。おじいちゃんとおばあちゃんが館内のご見学の間、お孫さんたちはブンナの部屋で過ごすことに。40分過ぎくらいにおばあちゃんが「それじゃあ、最後に竹人形を見たかったので、竹人形館に行きますね」と言って、お孫さんたちに「行くよ」と声をかけると、「いやだ、まだ帰りたくない」との、はっきりとした返事が! いや、そんなわけにはいかないと、そこからおばあちゃんとお孫さんとの押し問答がスタート。もちろん最後は、しぶしぶお孫さん達も竹人形館に進まれました。けど、一滴の図書室をずいぶん気に入ってくれた様子で、玄関で靴を履く前に「ありがとうございました。面白かったです」との一声をかけてくれました。

いや、これはなかなか嬉しいものです。水上先生も子どもたちが使ってくれることの大切さを、ずいぶん周りの人に諭していたようですが、この「まだ帰りたくない」と「ありがとうございました」は、先生にも聞かせてあげたいですね。たぶん、水上先生も渡辺先生も諸手を挙げて喜んでくれると思います。(S)