2016年12月
菖蒲の種子
ねずみ色の雲が空を覆う寒い一日でした。昨日は福井県の嶺北地方で初雪が降ったと天気予報で放送していました。おおい町でも今朝方、霙や霰が降って自動車が薄っすらと雪で白くなったと話題になっていました。
写真は本館前に生えている枯れた菖蒲です。ピンと伸びた茎の先に種子を包む「外果皮」がついていて、この「外果皮」を振ってみると、こんなに沢山の黒い種が出てきました。この種を春先に庭のあちこちに蒔いて、菖蒲を増やしてやろうと企みスタッフに相談したところ、菖蒲の種はなかなか発芽し難いとのことで、あっさりと諦めました。庭には色々な植物が生えていて、この時期に変わった形の「外果皮」を見つけるのは冬場の楽しみの一つです。(T)
※外果皮=種子植物の心皮が発達してできた果皮のうち、いちばん外側の層。桃では毛があり、リンゴでは赤、ミカンでは橙色 (だいだいいろ) をしている部分。
猫
先日のことですが、企画展をご覧になられているお客様から「そうだ、猫狂い。これだ、水俣病だったんだ」との一言が聞こえてきました。お話をうかがってみると、まさに60年前くらい前にテレビでヨタヨタとまっすぐ歩けない猫の映像が放送されていたのを覚えていたけど、何の関係の映像だったかを覚えてなかったとのこと。今回の展示で、あの映像と水俣病がつながり当時のことを思い出して納得したとのことでした。お客様曰く「あの当時は、本当に前しか向いてなかった時代だったからね。病気が悪いんじゃなくて、病気になった人が悪いというような風潮は確かにあったよ。しかし、これは今考えると水俣病だけの問題じゃなくて社会全体の問題だったんだね」
展示を企画する担当者としては、これだけのことを考えてくれる見学者を得ることができたのはうれしい限りですが、内容を考えるとやりきれない気分になるのも事実です。当時、あの水俣病の現状を直に調査して「海の牙」という小説を残した水上先生は、どんな思いだったんでしょうか。(S)



