
クロガネモチの木が蜂の羽音に包まれ、ミツバチが一心不乱に花の蜜を集めていました。冬の赤い実ばかりが目を引きますが、クロガネモチは蜜源植物で、その蜜の味は、一度味わったら忘れられないそうです。水上勉の小説にも養蜂家を題材にした小説「鶴の来る町」がありますが、舞台となった鶴の飛来地として有名な鹿児島県出水市は、水俣病の取材の折り立ち寄ったところで、直後に発表した「海の牙」の副産物のような作品だったようです。「鶴の来る町」なる小説を知っていたわけではありませんが、日常のなんでもない風景から繋がるなんて、若州一滴文庫も水上文学そのものなんですね。(u)