7月2019
暑くて熱い一日
暑い! そんな言葉がどれほど口からこぼれるか…。そんな一日に、何人もの熱いお客様がお越しになられました。とある遠方からの顔なじみ様は、少ない時間のなかで一滴までわざわざお越しいただき、時間いっぱいまで展示の見学と小生とのお話(笑)を! そうこうしていると、別の顔なじみ様がお越しになられて、とある封筒を小生に手渡し「ちょっと枚数制限をオーバーしてしまったが、文字数制限は守りました。大丈夫でしょうか」とのこと。どうやら、現在一滴で募集している『拝啓 水上勉様』で募集している作文を持参してくれたご様子。しかも、お話していると、すごい熱気が伝わってきます。そして最後は、これまた何度かお越しいただいているお方。お友達が訪ねてきてくれたので、一滴の見学に連れてきてくれたご様子。こちらも、お友達に渡辺淳先生の説明をしているそのお姿は、なんとも熱く感じます。(もちろん、このほかにも沢山のお客様に恵まれた、よい一日でした)
みなさま、熱心を通り越して、熱意みなぎる感じが手に取るように伝わってきます。これは、絶対に夏だけのせいではないですね。(S)
サルよ木からおりてくれ
読書の「つわもの」
先日、来館された年配のご夫婦と話をしていると「水上勉さんは、やっぱりすごい。こんなにも作品があるとは、知らなかった」と、驚きの一言がそのお口から。こちらも「これほど多筆な作家も珍しいでしょう。一生かかってもこれだけの量の本を読むことも難しいのに、執筆したんですからね」と、お客様のお話に応えると、ビックリする一言が返ってきました。その一言とは「僕は本を読むのが趣味で、年間だいたい350冊ほど読みます。一日一冊、ほとんど毎日毎日読みます。図書館が休みの日に、手元に本がないと不安で不安でたまらなくなるほどです。そんな僕でも、水上さんの著作をすべて読もうと思ったら丸一年間以上かかってしまうんですね」と……。さ、さんびゃくごじゅっさつ……。
これは、今までにない衝撃でした。小生も本は読む方ですが、それでも年100冊がせいぜいです。それを350冊とは……。確かに、お話している最中に出て来る作家さんのお名前やエピソードは、尽きることなく次から次へと。いや、こんなにすごい読書の「つわもの」がおられたとは…。
まぁ、この方とのお話は、衝撃を受けるとともに読書の素晴らしさについても感じることができた良い時間となりました。文学館の片隅で、こんな話に興じているひと時をもつことができる幸せ……もっと真摯に喜ばないといけませんね。(S)
職人技
出逢い
もう大分前の記憶ですが、淳先生から「出逢いだけは、疎かにしたらあかんよ~」と、言われたことがあります。
昨日、閉館間際にお越しのお二人さん、話を聞くと中国からの留学生とのことでした。なぜ、こんな時間(残り〇〇分)にわざわざ来たのかな? という疑問もあって、いつもの癖で聞いてみると、お二人から「日本の大学で水上勉の文学を研究している」との返答が! なんともビックリです。しかも、色々と知らなかった話(中国で水上勉は大人気だとは聞いておりましたが、20冊以上の本が翻訳されていると初めて知ることができました)も聞くこともできて、何だか得した気分です。ちょっとした疑問から話しかけて、大きく花開く(いや、開いているのかどうかはわかりませんが)。出逢いって、どこに落ちているかわからないものですね。疎かにしてたら、こんな会話できなかったでしょうし。(S)
絵本
時は変われど
最近の高校生の勉強量はすごいですね。時間さえあればブンナの部屋にて勉強です。「ここは、静かだから集中できるんです(笑)」とのこと。しかし、そんな高校生に、ついつい小生の悪い癖が! ちょっとした話の流れから、いらないことをペラペラと‥‥‥すっかり勉強時間の一部をくだらない話で潰してしまいました(ごめんね)。でも、話してて気が付いたのですが、そういえば小生も10代の一時期、何らかの夢をもっていたけど(内緒ですw)、周囲にそれを話しても話に付き合ってくれる人はいなかったような気が‥‥‥(もちろん、特殊な分野の話になるので! という意味ですが)。だから、話に付き合って感想(経験)を話すのも、特殊な職責にある学芸員の仕事のうちというやつでしょうか。時代は変わっても、悩み(不安)は同じようなものですし。ただ、やっぱり余計な話が多かった気はしておりますが。(S)
令?夏
四回目です
「本日もありがとうございました」
とあるご家族から、お帰りの際にいただいたお言葉です。
来館していただいたお客様は、まずラウンジで一滴紹介映像の視聴からはじまりますが、「ご覧になられますか?」という問いに「もう四度目ですから」とのご返答。近くにお立ち寄りになるときは、必ずと言っていいほど時間をとってお越しいただけるとのことでした。そんな方でも、今回の展示はかなり良かったご様子です。本館の展示、竹人形館、劇場、六角堂と一回りして「今回は本館の展示だけではなく、竹人形館の二階も大幅に展示が変わっていて見どころが盛り沢山。本当に何度来ても新鮮な気持ちになれる場所ですね」と言われ、続いて冒頭のお言葉です。いやまったく、嬉しい限りです。
一滴文庫にいると、本来であればお客様からなかなか聞くことができないようなお言葉をいただくことが多いように感じます。まぁ、それも一滴の魅力のひとつということで、単純に片づけておきましょうかね。(S)