豆本
2015年6月22日


田奈部豆本「越前竹人形」と「紅花物語」をご紹介します。二十数年前に和歌山県田辺市の版元から発行されたものですが、この度、在庫を所有されていた方から、「根強い水上勉先生のファンの方々も多いと存じます。少しでも多くの方々の手元へこの豆本が届けてもらえませんか」との申し出があり、この本の販売をお受けしたものです。水上作品にもいくつか豆本があるのですが、文庫には未収蔵のため、いつかは水上勉作品コーナーに揃えたいと思っていた矢先、こんなありがたい話をいただいたわけです。どちらも横10㎝、縦7.5㎝の手のひらに乗るほどの小さな本です。読むというより、希少本のように感じます。
特に、「紅花物語」は劇団俳優座の公演にあたって、台本として書かれたもので、この豆本でしか読むことはできません。また、どちらの本も、造本と体裁に全国の有名な和紙が使われており、ひとつひとつ手作りされたもので、200部限定版朱筆番号入りとなっています。
作品は新品の状態ですが、製作されてから二十数年経過し、手すきの和紙に若干の変色が発生している場合があるとのことですが、中身を開けての確認はできませんことをあらかじめご了承ください。
若州一滴文庫の開館30周年にこのような本に巡り合えるとは思いもしませんでした。ぜひ、この機会にお手元にどうでしょうか。興味のある方は一滴文庫までお問い合わせください。(u)