仕事の一環と楽しみの一端

2015年1月23日

 本日、朝からどんよりとしたお天気。しかも雨やら霙やらまで…。こんな天気だったらお客様も少ない一日になるだろうと、たかをくくった開館前。そんな後ろ向きな予想は、大きく外れて、多くのお客様に恵まれる一日となりました。
 そのなかでも、上林からお越しのお客様とお話させていただきますと、昔の水上先生との想い出話し(文庫で何度もお会いしているとかで、よく話をしていたそうです)にはじまり、水上文学についての感想に至るまでお客様の話題は尽きず、楽しい時間を過ごさせていただきました。お客様曰く、水上作品で一番記憶に残っているのは「金閣炎上」だそうで、三島由紀夫と水上勉との、人を見る視点の違いは、優しさと気遣い(心配り)とのこと。少し前に出版された「金閣寺の燃やし方」という本が三島と水上の対比をしていたと告げると、それならいつか読んでみようと、意気揚々のご様子でお帰りになられました。ここは文学館(分類上)、お越しいただいたお客様と文学との橋渡しも仕事の一環ですし、また、楽しみの一端でもありますね。(S)