HSはかく語りき

2012年4月29日

  

 つい先日まで一滴徒然の文章上に飛び交っていた『寒い、雪が、冷たい、霙………』などの言葉が恋しくてたまらないような暑い一日でした。日中の日差しは強く、まるで真夏の太陽が昇ってくる時期を間違えたんじゃないかと思うほどでした。館内の温度と湿度を調べ、メータに目を向ける度に汗が背中をつたってくるようです。
 そんな、庭の土も焦げるかのような一日ですが、庭園内では雑草が暑さにも負けずにワッサワッサと伸びてきてます。「あれっ、ここ先日草むしりしたはずなのに………」何度も見て、繰り返される同じ毎日(雑草の時期)が始まりましたね。気分はツァラトストラです。永遠に繰り返される永劫回帰(草むしり)のなかで、今ある現実(生)に背を向けることなく常に「是」と言える強さをもつ超人となりえるか?ニーチェの世界はなかなかに難しいですね。小生はどちらかというと、肥大化する心の闇に飲み込まれるツァラトストラに共感を覚えてしまい、現実世界に「非」という弱さが目立つ人間(毎回、同じ位置に生える雑草にうんざりです)なので、永劫回帰の世界から逃れることはできないようです。哲学的な思想として一世を風靡(ものすごい批判にさらされましたが)した考えでしたが、小生には受け入れがたい思想です。辛すぎますね(笑)。
 もし興味のある方は、フリードリヒ・ニーチェの「ツァラトストラはかく語りき(こう語った)」に目を通してみてください。哲学的な思想の発露の場として執筆された小説ですので、読みごたえ満点です。もちろん、一滴文庫図書室にもありますので、暑いGWの一日を文庫の庭園を眺めながら読書などいかがでしょう。(S)