大荒れの天気に想う

2012年4月22日

     

 本日は大荒れの天気となってしまい、暴風の影響から庭園の木々や葉が在らぬ方向に飛ばされてしまっていました。つい先日、一滴の里理事の方から、水上先生の「櫻守」に出てくる清水の桜を見学してきたと写真をいただき、『晴天の青空に綺麗なピンクの桜だなぁ』と、春の景色に酔いしれていたばかりでしたが、大自然は甘くないですね。朝からのあまりの風の強さに、くるま椅子劇場横にかけていた竹人形公演の看板が飛んで行ってしまいそうで、とりあえず劇場入り口に避難させるしまつでした。
 そんなこんなで、今も門や窓ガラスが何度も風に叩かれて大きな音を響かせています。事務室で独り目を閉じると、灰色の魔女「憂い」から視力を奪われたファウストの気分になり、ついついメフィストフェレスとの契約を履行してしまいそうな自分がいます。ですが、目を開けると音の原因は民衆の弛まぬ労働の槌音ではなく、ましてや悪魔が墓穴を掘る音でもなく、風が打楽器(門や窓)を打ち鳴らす音でした。よくよく考えると小生は、「常に向上の努力を成すもの」という崇高なファウストとは違い、「すぐに怠惰に流されるもの」という烙印をおされそうな方なので、メフィストフェレスと魂の契約を結ぶこともなさそうでした。(S)