司書の独り言
先日、おおい町図書館で図書館祭りが開催され、ポスターの古本市の一文に興味をそそられて足を延ばしてきました。どんな本が出品されているかワクワクしながら図書館に足を踏み入れると、ライブの真っ最中で、なかなかの熱気に圧倒されてしまい、開場のロビーから図書室の中に逃げ込む始末………。しかし、弱気が功を奏して図書室の一角で懐かしい本に出会うことができました。たしか、最初の出会いは小生が中学生くらいのときだったかと思いますが、その本のタイトルは「ソフィーの世界 哲学者からの不思議な手紙」です。
この本は、ソフィーという女の子が差出人不明の手紙を受け取ることから始まりますが、その内容とは、大変不思議なもので、簡単に考える(哲学する)ことができないようなものでした。しかし、ソフィーは哲学を学ぶことで、物事を考えるということを知り、自分が何者なのかということにまで言及するようになるといった内容のものだったかと思います。
この本は、哲学について単純に概論的な話を進めるだけではなく、自分について、自分の周りの世界について、自分と世界とのつながりについて考えるきっかけになるような内容の小説になっています。できれば、現代の中高生にこのような「自ら考え学びとる」助けになるような本を読んでもらいたいと考える司書の独り言でした。ちなみに、残念ながら一滴文庫にはこの本はありません。興味がある人は、おおい町立図書館に足を運んでみてはいかがでしょうか。(S)