辛夷塢(シンイウ)

2013年3月29日

     

 曇天…そう、まさにドンテンといった感じです。光は差し込まず、薄暗い、しかも雨はパラパラと落ちてきたかな?と思ったら…いや感じたはずなのに雨は落ちてこない。嫌な一日です。気分も暗く沈んでしまいます。
 こんな暗い気分、空も暗く厚い雲に覆われているのに、園内では花が咲き乱れています。そんな寂しげな世界と、華やかな草木を一度に目の当たりにしていると、一つの漢詩を思い出し、早速調べてみました。

「木末の芙蓉の花  山中紅夢を発く  澗戸寂として人無く  糸糸として開き且つ落つ」
『こずえに咲くモクレンの花が山中に赤い花を付けている 谷間の家はひっそりと静まりって人気はなく そぼ降る雨に花は咲きまた散っていく』

と、いった具合でしょうか?唐代の詩人である詩仏王維の作ですが、同じ世界、同じ瞬間に存在しながら一方では暗く、一方では華やかに。ある一瞬、咲く花もあれば、散る花もある。不思議なものですが、哀しさや嬉しさなどの感情は、自らの主観が作り出しているただの幻想なのかと考えさせらレてしまいます。3月の末になり、別れの季節(でも、あと数日もすると4月ですから出会いの季節ですね)となったものですから、沈んだ天気と相まって、なにやら寂しげな徒然になってしまいました。それならばせめて悲しみの深い日には、楽しかった過去の記憶と戯れてみるのもいいかもしれませんよ。(S)

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