「地元の作家 水上勉」展

2008年1月31日

先日、名田庄図書館まで27日が最終日となった「地元の作家 水上勉」展を見に行ってきました。

本展を飾る水上勉作品の装画や挿絵を手掛けられた画家の渡邉淳氏が、風邪気味ながら講演会でスピーチされ、水上先生との思い出話をいくつか聞く事が出来ました。

図書室に展示された当時の水上勉先生を物語る品々を観て渡邉淳氏は喜んでおられました。中でも、長篇小説で新聞連載された『地の乳房』(1981年福武書店刊)には深い思い出があったそうで、水上先生がこの小説の書き出しに苦労された事を話しておられました。

冒頭の「山柿の葉は椀のフタを散らすみたいに落ちてきた。風がふくと、何枚もが横ながしに浮いて肌をすりあわせ、カリンカリンと鳴った」

この作品の第一回目の挿絵を渡邉氏がお持ちになった時、水上先生は出だしの文の感想をきかせて欲しいとおっしゃったそうです。

作品を左右する冒頭の文には、水上先生も神経をすり減らされた事を知り、作家が持つ苦労の一つを少しばかりでも感じる事が出来ました。

講演の最後に渡邉淳氏は、水上勉先生は心優しい日本社会に対する怒りの作家であったと語っておられました。(T)

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