答えより質問

2019年6月29日

 本日、お越しのお客様にひとつの質問をいただきました。それは「人はどうやったら20年そこそこで、これほど多量の執筆ができるんだい?」というものです。いつものように、お迎えしたお客さまをラウンジにお通しして、それから展示室に誘導する。これはいつもの流れですが、展示室に一歩入るなり、お客様が立ち止まられて動きません。どうかしたのかと思ったら、先ほどの質問です。展示室に入る前に、「今回の展示は、水上勉の1984年(文庫開館前)までに執筆したものを中心にして、関連資料もろとも並べてます」という小生の話から、たぶん10冊かそこら程度の本がバァン! で、関連資料がドォン! と並んでいる様子を想像したようで、まさかこれほど多量に本が壁面を埋め尽くしているとは、夢にも思わなかったとのことでした。私も質問に答える形で「なぜなのか?」という思考をくみ上げることもでき、大変有意義な時間を過ごすことができました。やはり、物事というものは「答え」よりも「質問」が大切なんだと改めて思いましたね。(S)