2019年4月
ウン搬
ここでの経験を
あれは、先日のことです。
とあるお一人で来館のお客様、本館に入るといきなり「お~これは! いかんな~これは、一日中ここにいそうだ」と、ひとり言。その後、小生をつかまえて水上文学についてのお話が切れることなく一時間以上。それから、昼食で六角堂に向い、そこでまた六角堂スタッフに色々なお話。また本館に戻ってきて、展示のご見学、お話、竹人形館、お話、くるま椅子劇場に足を向けて、お話(若干、順番が入れ替わって…)‥‥‥。さすが、最初の宣言通り、ほぼ一日ご滞在いただけました。
本展示では、これまで展示の常識としてひとつのキャプションに文字は200字程度まで! という考えを持っておりましたが、それなりの組み方をしていると、文字の分量が多くても、結構な時間をかけて読んでくれる人が多いということを感じております。そして、しっかり文字を読んでくれた人は、結構な確率で前述の方のように、それをネタとしてうれしそうに職員に話しかけてくれます。
本当に、ここ一滴文庫に勤めていると、他の施設では考えられないような経験を沢山させていただけます。そして、様々な考えに触れることができます。ここでの経験を、今後どのように活かしていくのか…資質が問われますね。(S)
足もとの事情
本日、お昼前にお越しの団体様、皆さま劇場での一滴文庫紹介映像をご覧になり、そのまま本館と竹人形館のご見学に進まれました。しかし、どうやら館の前に人だかりができ、なかなか中に進んでいかないご様子です。どうしたのかと思って覗いてみると、靴を脱ぐのが面倒だ! とのことで、入り口からのご見学‥‥‥。入り口から見えるものなんて、ほんの一部ですが、しょうがないので見える範囲でご説明させていただくと、興味のある方は「やっぱり、せっかくなんで、靴を脱いで見てきます」と、進み出てくださいます。それでも、一部のお客さまは、簡単な説明だけでご満足いただけたようで、足早にお帰りのバスに向けて歩みを進められました。
結局、そのとき靴を脱いでじっくりご見学いただいた方は、最後に幹事の方から「もう時間ですよ~、早く、早く」とせかされていましたが、施設を出る前に「やっぱり、面倒でしたけど、靴を脱いで正解でした。みんな勿体ないことをしましたね。こんな素晴らしいものを見せていただくのに、面倒なんてなかったです。今日も新しいことがらをひとつ知ることができました。ありがとう」と、ひと言残してお帰りになられました。
皆さま、お寺さんなんかに伺う時にはきちんと靴を脱ぐのに、文化施設は面倒だ! とのこと。何が違うのでしょうか。「好奇心は足取りを軽くする」何かの本で読んだ一文ですが、好奇心がなくなると成長もなくなるのですが‥‥‥。(S)