想い出の一冊

2019年3月23日

 本日、様々なお客様に来館いただき、面白い話と感想もいっぱい聞くことができました。中でも、常連のお客様がお孫さんを連れて見学に。本館の展示をお孫さんと見て、ぱっと目に入った本が『霧と影』。その本を手に取り、お孫さんに「じいちゃんのお父さんが本の好きな人やって、お前も読んでみたらどうかと言われて渡されたのが、この『霧と影』やったわい。お前にはまだ早いかもしれんけど、もう少し大きくなったら読んでみいや~」との一言。どうやら、思い出の一冊を手にして昔の記憶が蘇ってきたご様子でした。そして、展示を一回りして「やっぱり、人間の描写というのは、松本清張さん(展示の一角でお名前を出していたもので)より水上勉さんの方が上やった。水上さんの描く人間の表現は、同時代のどの作家より群を抜いていたよ」と、なんともうれしいご感想まで。

 水上勉先生も、生誕百年という年を迎えて、まだまだ世間に広く問われるべき作家ではないかと、改めて考えさせられる一日でした。(S)