11月2018
ヤブコウジ
渡辺淳回顧展Ⅱ期

今日から平成30年度若州一滴文庫企画「渡辺淳回顧展Ⅱ期」が始まりました。昨年の夏突然亡くなった渡辺淳に少しでも酬いるため「渡辺淳回顧展」を企画し開催しました。Ⅰ期では、渡辺淳がライフワークとして描いてきたおおい町の自然「佐分利川」、「山河」や炭焼き時代の「炭窯」の絵などを見ていただきましたが、今回は水上作品の装幀画家として長年描いてきた単行本、文庫本のカバー画原画や長篇新聞連載小説「地の乳房」、「故郷」などの挿絵原画を見てもらいます。水上勉が同郷の画家に著書の装幀画を描いてもらいたいと、おおい町の渡辺淳宅に足を延ばしたいきさつなども紹介しています。
大変見応えのある展示となっています。この機会に是非一滴文庫に足を延ばし、水上文学並びに装丁原画をご堪能下さい。(T)
※また次の通り「記念講演」講師:水谷内健次を行ないます。
会場:一滴文庫本館1Fラウンジ
日時:12月9日(日)13:00~(約1時間)
料金:入場は入館料300円
渡辺淳先生と大変親しかった水谷内健次氏(写真家)に当時の渡辺淳エピソードをたくさん話して頂きます。是非お越し下さい。
ネルケ無方と今川裕代
先日、ちょっとお休みをいただいて、小浜市のとあるところにいってきました。まぁ、今川さんのコンサートがあったのでウロウロとしてきたわけですが、今回のメインはコンサートではありません。何と、今回は今川さんのピアノだけではなく、曹洞宗安泰寺のご住職であるネルケ無方さんの講演があるとのこと! えっ、ネルケって…と、思われた方もおられるかも知れませんが、そうですドイツ語出身のご住職さんです。何でもドイツで一度座禅をして、鈴木大拙の書に触れ、日本にやってきたとのこと。まさに、現在(本日までですが)一滴の企画展の内容をそのまま現代に表したようなお方の講演。これは行くしかないですね! もちろん、今川さんのピアノ付きということで、文句なし大満足の2時間となりました(もしご興味がある人は、一度ネルケさんの本を読んでみてください。とても面白く、しかも優しく禅について書かれた本を多数出版されています)。
最近の忙しさで荒んだ小生の頭には、久しぶりにいい気分転換になってくれました。さぁ、今週もこの良い気分のまま波に乗って、次から次に襲い掛かってくる仕事の山を千切っては投げ、千切っては投げ‥‥‥まっ、仕事しましょう。(S)
炭つくり
雪吊り
レインボー
過去の思ひ出
本日、百名近い団体のお客様がお越しになり、バタバタの一日(いや、さすがに一度で百名様はパンパンです)。そんな団体様のなかで、劇場の竹林を見るなり、通路で立ち止まって全く動かないお客様がおひとり。どうしたんだろうとお声をかけさせていただいたら、「私、この竹林の劇場を、今のいままですっかり忘れていましたが、ここに来たのは二回目でした。あれはもう20年以上前のことですが、私は〇〇(大会社)の運転手をしておりました。あの時分、会社から『元総理の〇〇(誰でも知ってるような方です。)さんを、一滴文庫までご案内してくれ』と頼まれて、お連れしました。何で、今まで忘れていたのか、この竹林の風景を見て思い出しました」とのこと。え~、それはすごい! とお応えすると、さらに「あの時、〇〇元総理は、この一滴文庫に大変感激されて、お送りしたあとに『良い一日にしてくれたね』と言いながら、色紙に一文書いて私にくださいました。今でも家宝として大切に飾っています」とのお言葉も付け加えてくれました。
色紙は毎日のように眺めていたのに、何でこの竹林の風景を見るまで忘れていたのかと、残念がっておりましたが、横に控えていた奥様は、あの時に話してくれてたのはここだったのねと納得のご様子。帰りがけにも、わざわざ小生を探して「ありがとう」と、ひとこと残してお帰りになられました。
何とも良いお話を聞かせていただき、こちらこそ「ありがとうございました」と言いたい気分ですが、それよりも「あの元総理が一滴文庫に来てたのか~」と、そっちの方が気になってしまった雨降り午後の一幕でした。(S)