企画展「裸の王様」準備中(ウソ)

2017年3月9日

 先日のことですが、来館されたお客様と本館で歓談していると、「ここ数年、年に一回ふらっと一滴文庫に足を運んでいますけど、3階の展示って何かかわりましたか? 何かが違う気がするんですが…わかりません。教えてください」との一言をいただきました。よくよく聞いてみると、前回来館した時より“見やすくなってる気がするけど、記憶にあるものばかりだから展示品がかわったわけではなさそうだ”とのことでした。そのご記憶の確かさにも感服ですが、驚いたのは、誰も気が付かないだろうけど見やすさアップのため密かに照明をいじっていたことを何となく気が付いたその感性の鋭さです。まさか、年に一度の来場で、そこに何となく気が付くとは…!
 学芸員というお仕事をしていると、つい一般の感性を失ってしまいがちです。展示品を守るために照明の明度は〇〇ルクスまで! とか、本は折癖がつかないように三角展示(見難い)とか、言い出したらきりがありません。それでも、一滴文庫は来館される方々の年齢層が若干高めですので、会場を少しでも明るくしないと何が何やら見えない展示になってしまいます。そんなこんなで、どうすれば定められた範囲内(範囲オーバーもしてますが)で、少しでも見やすくできるかをここ一年の間、模索してきましたが、まさかそれに気が付く方がおられるとは…!
 はっきり言って、どんなに素晴らしい展示をしていても来館者から見えないようでは本末転倒です。しかし、専門職という肩書を持ってしまうと、前提から抜け出せなくなります(いや、それが正しいと思っているもので)。
 ん……この話、どこかで聞いたような……は、裸の王様だ。企画展「裸の王様」を企画しよう(すごい作品を展示するけど、暗すぎて見えない)。もちろん、ウソです。(S)