2016年12月14日

 先日のことですが、企画展をご覧になられているお客様から「そうだ、猫狂い。これだ、水俣病だったんだ」との一言が聞こえてきました。お話をうかがってみると、まさに60年前くらい前にテレビでヨタヨタとまっすぐ歩けない猫の映像が放送されていたのを覚えていたけど、何の関係の映像だったかを覚えてなかったとのこと。今回の展示で、あの映像と水俣病がつながり当時のことを思い出して納得したとのことでした。お客様曰く「あの当時は、本当に前しか向いてなかった時代だったからね。病気が悪いんじゃなくて、病気になった人が悪いというような風潮は確かにあったよ。しかし、これは今考えると水俣病だけの問題じゃなくて社会全体の問題だったんだね」
 展示を企画する担当者としては、これだけのことを考えてくれる見学者を得ることができたのはうれしい限りですが、内容を考えるとやりきれない気分になるのも事実です。当時、あの水俣病の現状を直に調査して「海の牙」という小説を残した水上先生は、どんな思いだったんでしょうか。(S)