その一言をノートにも

2014年8月11日

  

 本日、昨日までの台風の影響もあり、朝の掃除が大変でした。葉っぱや木の枝、はたまたボケの実まで散乱していました。しかし、そんな庭園もホウキとチリトリのセットさえあれば、いつもの文庫にすぐ戻ります。本当に大きな被害がなくて良かったです。
 はてさて、話題は少し変わって、こんな荒れ模様の文庫ではありましたが、本日も多くのお客様をお迎えすることができました。その中の一組のお客様と受付の前で少し話をしてみると「まさか、あんな暗い作品ばかりを執筆していた水上勉が、こんな大事業を手掛けていたなんて…。しかも、会場に置いてある本を一部読まさせてもらいましたが、とても温かみのある言葉と、単純なやさしさだけではない強い意志のような一文が目に飛び込んできましたよ。自分の中では、とても(あの暗い作品を描いている人と)同一の人物の仕事とは思えないんですが…。不思議です」との一言までいただきました。
 このような言葉お頂けることもうれしいことですが、このような対話から得ることは「うれしさ」だけではなく、むしろ一般の人々のイメージする水上勉像という一点が大きいかと思います。今回、企画して皆さまに提示した社会福祉に心を砕いた水上勉も、作家として若狭の暗く湿った作品を描き続ける水上勉も、父親として子に接する水上勉も、みな同じ水上勉という一人の人物です。水上先生が残した一滴文庫では、これからも先生の数多い一面一面を丁寧に紐解き、皆さまに提示していくことができればと考えておりますので、ぜひとも多くの方々のご意見をお待ちしております。
 最後に、本日このように熱い一言を頂けたので、本館の感想ノートにもきっと同様の一文が書かれているだろうと、閉館間際にのぞいてみましたが…な、何もなし…。できれば、皆さま本館の感想ノートにも一文記していただけますと励みにもなりますし、明日の発想にもつながりますので、お越しの際にはぜひノートに感想などサラサラと記していただけると助かります。いや、本当に!(S)