昔の恋人に

2014年6月6日

 雑務に追われてバタバタとしてしまう一日でしたが、来館者があれば〝これ幸い”とばかりに、本館や六角堂に逃げ出してお客様との雑談に花を咲かせます。これは、なかなか由々しき癖が付いてしまったようです(笑)。しかし、ただ仕事から逃げ回っているばかりじゃありません。これらの雑談のなかには、ためになる話や面白い話、今後に繋がる話など様々な未来に繋がっています。
 そんな本日の雑談のお相手は(本当に、毎日毎日仕事もせずにこいつは! と、思われた方もいるかもしれませんが、これも仕事のうちですね)、とある遠方から来館のご婦人です。水上作品が好きで、昔からよく読んでいたとのことから話が始まり、小生の説明にメモまでお取りになられるほど熱心なご様子。本館からでて竹人形館に向かう前に立ち止まって一言、「長年、来たいと思っていた一滴文庫ですが、本当に素晴らしかったです。まるで、大切な昔の恋人に再会したような…そんな淡い気持ちになりました」と残して本館をあとにしていかれました。大切な昔の恋人に…すごく若々しい気力みなぎる表現です。たぶん、こちらの女性は文庫の敷居を跨いだ瞬間、心が大切な方と一緒にいたその時にタイムスリップしていたのではないかと淡い思索だけが巡ります。(S)