「くるま椅子の歌」と「くも恋の記」

2014年4月9日

 本日、終日忙しくバタバタと走り回る一日となりました。そんな慌ただしい一日でしたが、面白い一日でもありました。
 それは、朝一で来館のお客様の車のナンバーが「大分」になっていたことから、故郷話で話がはずみ色とりどりに話題の花が咲いたことから始まりました。個人的な故郷の話をしていると、どうやらお宅が別府の太陽の家のすぐ近くとのこと。それを聞いてはと、水上先生と太陽の家の関係についても少し話をすることができました(いちお学芸員ですから)。
 そして、次は宮崎からお越しのご婦人方。こちらも、懐かしいイントネーションの会話を聞いて色々と話をしてみると、なんと水上勉著「くも恋の記」のなかに収録されているあるエッセーの題材になった方だったのです。なんだか、本日は九州からのお客様に恵まれる日だったようです。しかも、このご婦人方やその他多くのお客様にとってラッキーだったのは、渡辺淳先生が一滴にフラっと立ち寄ってくれたことです。先生が六角堂にいてくれるだけで、周りは笑顔と笑いに包まれ、多くのお客様も先生との楽しい会話に酔いしれているようでした。皆様、帰りがけには「今日は、こんな嬉しい一日になってくれるとは思いませんでした。一生の思い出です。この一滴文庫での出会いを忘れずに、またいつの日か立ち寄りたいと思います」と口々に。そして、もちろんお顔は満面の笑みが溢れていました。割と年配の来館者が多かったように思いましたが、帰りがけに見た皆さんの楽しそうに文庫を振り返るそのお顔は、まるで子どもの様な笑顔。今日、来館された方々の笑顔は私も忘れられません。次にお会いできる機会があることを心からお待ちしております。(S)