土を喰う日々

2013年9月6日

  

 もう大分前のことですが、水上勉著『土を喰う日々』を読み、これは凄い本だと感銘を受けたことを覚えています。何が凄いのかって、それは細かな料理の作り方や食材の選び方などについて書かれているのではなく、どのような心で食材を選び、どのような心で食材(料理)に臨むかが書かれている点だと思います。普通の料理本には、まず無い表現ですね。
 と、こんな前置きからですが、毎日仕事が終わってしまうと何もすることが無くなってしまう夜の時間を有効に活用して、『土を喰う日々』の実践(ここからすでに小生の間違いははじまっています)とばかりに、ベイクドチーズケーキの製作に取り掛かってみました。夜中にガタゴトとご近所には迷惑だったかも知れませんが、材料を混ぜて、メレンゲの角立てて(最後まで角は立ちませんでしたが)、混ぜ合わせたキジをオーブンに投入。できあがったその物体は、見た目は良いのですが、味は………「是非も無し」といったところでしょうか?そうです、料理は心でつくるものという間違った捉え方をしていた小生は、レシピ本に書いてある必要な材料の項目のみに目を通し、分量は「これくらいかな?」という適当な配分で調合してしまったものですから、美味しくも不味くもない(是非も無し)状態の物体が出来上がってしまいました。しかも、結構な量です。やはり、―わが精進十二ヵ月―への道のりは果てしなく遠いものだと、あらためて感じる一幕でした。(S)