産土

2013年3月18日

 いきなり我が家の台所からのワンショットです。なぜ、いきなりこんな文庫と関係のない写真がデカデカと掲載されているのか…?理解に苦しむ人もいるかと思います。
 実は、先日のことですが、名田庄図書館で開催された渡辺淳トークショーに参加してきて、渡辺先生の原画を観賞しつつ、描かれた多くの名田庄村(当時)の風景に思いを馳せる楽しい話しを堪能する機会がありました。今回の先生の話しを聞いて、名田庄という土地や、そこに住む人々に対する先生の思いを感じることができ、大変素晴らしい一日となりました。渡辺先生にとって名田庄という場所は、隣村(今では同じおおい町ですが)ではなく、ちょっと山を越えた自分の村という感じなのかな?と考えさせられました。そんなこんなで、一日過ごして、帰りついた後の夕食の時間、不意に買ってきたネギをみると大分県産のシールが目に飛び込んできました。全然意識してませんでしたが、出身地の食材を選んでしまうとは…。渡辺先生の故郷に対する想いと相まって、感慨深い思いがしました。そういえば、産土神という生まれ土地の神様について思い出し、名田庄民俗学の大家(皆さんもよくご存じの方ですが)に「今の若い人って、産土神とか氏神、他にも庚申信仰とかって知っているんですかね?」と聞いてみたら、「たぶん誰も知らないだろう」という答えが返ってきました。残念な話しですが、世界的なグローバル化に伴って(もちろん理由はこれだけではありませんが)、地域が誇る固有の文化が均質化され、どこに行っても同じモノが目に付く時代になっていっているような気がします。渡辺先生の話しや、水上先生の文学に記載された若狭の風土など、数十年前に当たり前にあったものが今では歴史資料となってしまいました。これを進歩(便利)というのか、淘汰というのか解りませんが、なかなかに考えさせられる一日となりました。(S)