カチ栗

2012年10月19日

 食い散らかしたのではありません。カチ栗をご覧いただこうと割ってみたものです。
 山栗を茹でたあと、天日で乾燥したものです。実はカチカチに固く、歯の悪い人には注意が必要ですが、小さく割れたものを舌先にのせ、ゆっくり口の中で溶かしながら食べると甘くおいしいのです。茹でたての栗もおいしいのですが、口の中でもぞもぞして食べにくいのより、こちらの方がいいです。
 「土を喰らう日々」-わが精進十二ヵ月ー(水上勉著)の十一月の章で、カチ栗の思い出やその味わい方を知ることができます。
 搗栗(かちくり)とは違い、田舎の冬のおやつみたいなものですが、山遊びしながら拾ってきた山栗を茹でて糸に通して繋ぎ、軒下に吊るし柿と一緒に吊るしたのを思い出します。今年は文庫の栗の木にも実がなりました。(u)