ゼロの概念

2012年9月1日
ゼロではない一冊の本
 数日前のことですが、水上勉著『くさらなかった舌 -日本霊異記- 』を読み、少し考えることがありました。
 この文中では、本来存在するはずのない霊的なものが説話という形でそこに表現される。言い換えると、無い(認識することができない概念)はずのものが表現される。まるで、数字のゼロのような概念だと感じ、職務中にもかかわらず思考の迷宮に足を踏み入れ、解るはずもない思考のlogic(論理)と独り戯れていました。確か、数字としてのゼロの概念はインドで発見(発明?)されたものだったかと思いますが、観念としては古代(紀元前)から存在していたようですね。本来そこには無いものを表現するゼロという概念。本来そこには無いものを表現する小説という文化。どちらも、存在しないものを認識し、表現(霊異記に関しては、小生が認識できないだけなのかもしれまえんが)するという人の能力の凄さを垣間見ることができる一つの場なのかもしれません。
 しかし、どれだけ考えても無いものを表現するというこの概念・・・小生にとっては理解しがたいパラドックスなんですが・・・思考の硬化が進行しているようです。(S)