蜘蛛の糸

2012年7月9日

この蜘蛛じゃありませんが

 本日、文庫の開館担当だったこともあり、いつもより少し早めに出勤してきました。朝は、まだ暑さもほどほどに気持ち良く、清々しいスタートになる予定でした。そんな一日の第一歩………文庫に足を踏み入れた瞬間に、顔に貼りつく蜘蛛の巣が・・・。一瞬で気分は落ち込み、言いようのない不快感が全身を駆け巡りました。とりあえず、その場で顔に付いた蜘蛛の巣の除去と、一緒にくっついてきているであろう蜘蛛が顔からいなくなってくれるように、念入りに頭から顔をはたきまわりました。
 そんなこんなで、念入りな洗浄作業を終了させて、自分のデスクでパソコンの電源を入れようと前かがみになった瞬間、眼の前に小さな黒い物体がスーっとゆっくり垂れていくのを発見してしまいました。どうも、洗浄作業の網をかいくぐってまだ髪にくっついていたようで、髪の毛から糸を垂らして下に降りてこようと目論んでいた奴がそこに。再び先ほどの不快感が蘇った小生の取るべき行動は単純で、考えるより先に蜘蛛をはたき落そうと手が出ていました。結果、髪から出発していた蜘蛛の糸が新たに手に付き、そこに一瞬の考える時間ができてしまいました。「よし、この蜘蛛を無下に殺さず、そのあたりの草むらに放してやろう。そうすれば、将来必ず天国から蜘蛛の糸を垂らし、小生の罪悪を救済してくれることだろう。」という、薄ら暗い考えが頭をめぐり、蜘蛛は草むらに消えていくことになりました。 
 たぶん、こんな考えにいたった時点で、蜘蛛が救済してくれることは無いでしょうが、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』をもう一度読みなおそうと思うカンダタもどきの小生が、7月9日朝一の一滴文庫文庫事務室にいました。(S)