魔の山

2012年2月5日

一滴徒然草画像  一滴徒然草画像

 ここ数日、日本列島を覆った大寒波によってもたらされた大雪は、一滴文庫の外見を大きく変えてしまいました。写真は、その時のものですが、まるで六角堂が雪山、庭園が雪に埋もれた獣道。このような光景を目にすると、昔読んだトーマス・マンの「魔の山」(第一次大戦前のヨーロッパの縮図をサナトリウムという限定世界で表現したかのような文学作品です)を思い出します。この作品の舞台はスイスのアルプス山脈だったかと思うので、たぶんこんな光景だったんじゃないかな?と、勝手に想像を膨らませてしまいます。これまでは、こんな雪に埋もれた世界は、ブラウン管の向こう側(もう、ブラウン管という表現も死語になってしまいましたね)、あるいは小説などの別世界のことだと他人事でしたが、実際にこんな雪の中で生活していると、その厳しさを肌で感じることができました。このような厳しい環境があればこそ「魔の山」のような作品ができるのかな?と感じ入ってしまいます。現在は、作品の主人公たるハンス・カストルプ、もしくはその従兄弟に重ね合うような自分がいますので、時間のあるときに再読しようかと考えています。
 一滴文庫での生活はゆっくりとした時間の流れと、五感で感じることのできる四季があり、現在の自分には最適な限定世界となっています。(S)