1月2008

「地元の作家 水上勉」展

2008年1月31日

先日、名田庄図書館まで27日が最終日となった「地元の作家 水上勉」展を見に行ってきました。

本展を飾る水上勉作品の装画や挿絵を手掛けられた画家の渡邉淳氏が、風邪気味ながら講演会でスピーチされ、水上先生との思い出話をいくつか聞く事が出来ました。

図書室に展示された当時の水上勉先生を物語る品々を観て渡邉淳氏は喜んでおられました。中でも、長篇小説で新聞連載された『地の乳房』(1981年福武書店刊)には深い思い出があったそうで、水上先生がこの小説の書き出しに苦労された事を話しておられました。

冒頭の「山柿の葉は椀のフタを散らすみたいに落ちてきた。風がふくと、何枚もが横ながしに浮いて肌をすりあわせ、カリンカリンと鳴った」

この作品の第一回目の挿絵を渡邉氏がお持ちになった時、水上先生は出だしの文の感想をきかせて欲しいとおっしゃったそうです。

作品を左右する冒頭の文には、水上先生も神経をすり減らされた事を知り、作家が持つ苦労の一つを少しばかりでも感じる事が出来ました。

講演の最後に渡邉淳氏は、水上勉先生は心優しい日本社会に対する怒りの作家であったと語っておられました。(T)

星の瞳

2008年1月30日

 立春にはまだ日がありますが、文庫のすぐ近くの畦に今年もオオイヌノフグリが咲きました。「星の瞳」という本来のイメージにふさわしい別名も付けてもらっているらしいのですが、この花が咲いているのを見つけると、心が洗われる気がします。最も春の訪れを感じさせてくれる花のひとつですね。(N)

お帰り

2008年1月28日

 若州人形座新春特別公演 竹人形文楽「五番町夕霧楼」が終わり、一週間が過ぎた今日、出演のため留守にしていた人形たちが、一滴文庫に帰ってきました。お客様に感動を与え続けた1週間の公演の疲れも取れたようで、今秋の文庫での公演に向けて、人形館で他の仲間たちとゆっくり休養です。
 いつもは閉じた劇場の扉もオープンし、人形座の方たちの搬入作業で活気にあふれ、寒さで固まっていた職員にもいい運動でした。(U)

青い実食べた?

2008年1月27日

 六角堂のスタッフが皆、「この頃、鳥の糞が青いよ。」と言います。「野鳥の糞が青いのは、青い実を食べたからに違いない。」と、青い実を捜して廻りました。
 駐車場の南の生垣につかわれているモクセイ科の常緑低木、鼠黐(ネズミモチ)がたくさん実をつけていましたが、「これかなぁ?」。別名:タマツバキ(珠椿)はともかく、ネズミノフン(鼠の糞)とも言うらしいのです。(N)

新刊図書のご紹介

2008年1月26日

児童書2点―――『いえでででんしゃはこしょうちゅう?』、『こすもすベーカリー物語』(ともに08年1月15日刊)を版元の新日本出版社よりご寄贈頂きました。

最初のあさのあつこコレクション5『いえでででんしゃはこしょうちゅう?』は、家出した子ならだれでも乗れる「いえでででんしゃ」が、さくら子の誕生日に再びあらわれ、けいすけくんと乗り込むと、故障しているはずのでんしゃが空を飛んだ。赤茶けた山の間をたくさんの人が歩いていた、黒い煙があがる街、爆弾を落とす戦闘機―――さくら子たちが見たものは戦争でした。そんな地球から「でんしゃ」が家出を……。

夢の無い人間が無意味な戦争をする地球から飛び出そうとする「いえでででんしゃ」は、地球の抱えるおろかな人間問題をも訴えかけているようです。

2冊目、おはなしピースウォーク・6『こすもすベーカリー物語』には、7つの短編が所収されています。作品はあらゆる方面から戦争の悲惨さや虚しさを訴えかけています。集団で群れて生きる人間が見逃している大切な事が説かれています。

2点とも本館図書室ブンナの部屋にあります。お立ち寄りの際にぜひご一読ください。(T)

2008年1月25日

 昨夜から降り始めた雪で、あたり一面銀世界の朝となりました。幹線道路は除雪車がきれいにしてくれますが、横へ除けた雪の塊がちょっと邪魔で、道路へ出るのに一苦労します。
 雪に包まれ、文庫もようやく冬の装いとなりました。六角堂から文庫の雪景色を、ぼーっと眺めて過ごすのもいいんじゃないでしょうか。
 土、日と雪の予報が出ています。暖かくしてお越しください。 (U)

温まるお話

2008年1月24日

 昨日のこと、久しぶりにT紙の記者のS氏が来館され、お好きな六角堂のメニューの「生姜湯」を飲みながら、「ほのぼのと温まるような話題はありませんか?」と、取材(?)に。ご本人と私どもスタッフがあれこれ世間話を楽しみ“温まり”ました。
 今日のように、小雪交じりの風の吹き荒れる寒い日は、ほのぼのと温まる話題がなくとも、どうぞ、六角堂で温まっていってください。(N)

おおい町名田庄切明(キリアケ)

2008年1月23日

先日、おおい町名田庄図書館に用事があり、近道の石山峠を越えて行ってきました。途中に「おおい町名田庄切明」と標識がありました。同伴してくださった画家の渡邉淳氏が、水上勉先生の書かれた作品「おもんの谷」※は、この切明地区が舞台となった作品で、装画を手がけたときの思い出を話してくださいました。写真は当時三軒あった民家跡です。近くにお地蔵様が立っていました。

作品によれば、当時この峠には製材所があり、太い鉄のロープが切明山へとつながっていて、鉄籠が長い材木を載せ、谷を越えて空中を行き来していたそうです。浜の村から魚売りのおもんさんが焼き鯖などを売りに、この鉄索の空籠に乗って飯場へ来る際に落ちて亡くなったというお話でした。水上先生は、このおもんさんは自分の村にも魚を売り歩いていた人で、亡くなったことをお母さんから届いたハガキで知ったと綴られています。

あちこちに、水上作品となった逸話がある事を知り、普段なら見過ごしてしまう場所もまじましと見入ってしまいました。(T)

※ 所収「おもんの谷」
『鳩よ』(昭和54年8月31日角川書店刊)
『旅の小説集 水上勉紀行文集第七巻』(昭和58年12月12日平凡社刊)

寒いでしょ。

2008年1月21日

 植物は、気温の変化に敏感で、花芽を出し始めていますが、人間にとってはまだまだ冬真っ盛りです。このところの底冷えで、誰も外へは出たがりません。マンサクに続き、ウグイスカグラも花を付け、春はすぐそこかと思ったりもしましたが、いつものピンクが寒さに凍えて、早く出すぎて後悔しているように見えます。

冬の空に

2008年1月20日

 山肌には先日の雪が残るものの、一滴の里は今のところ雪の無い冬です。「文庫の庭も冬の景色だなぁ」と、六角堂の屋根の上を見上げると(いつかもそんなことがありましたね)少し変わった形の雲が並んでいます。「(この前はエリンギだったけど・・)今度のは、明太子のよう」に見えました。「そうだ、今夜は、温かいご飯に明太子でいこう!」本欄で、個人の嗜好を述べて申し訳ありませんが、近頃、一番の関心事は「食」です。
 「あたたかい」といえば、文庫で一番あたたかい場所は、だるまストーブに薪がガンガン燃えている六角堂です。
 暖かい六角堂で、温かい「かけそば」「にしんそば」「しょうが湯」「よもぎ餅」「コーヒー」・・・はいかがですか?(N)